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2021年10月18日

【観戦記】トップイ−スト–A 第4節 ヤクルトレビンズ戦

10月16日(土)に、ヤクルト戸田総合グラウンドにて開催されました、トップイースト-A 第4節ヤクルトレビンズ戦は、28対29(前半18対16、後半10対13)で敗戦しました。

無観客試合ではありましたが、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。 それでは、観戦記をお送りします。

【観戦記】
開幕3連勝と、これまでしっかりと勝ち切ってきた東京ガスラグビー部。全8試合のリーグ戦の折り返しとなる第4節の相手は、こちらも現在全勝中のヤクルトレビンズだ。 だが、今年の対戦成績ではヤクルトに分がある。
6月に開催されたトップイーストリーグ2021春季交流戦トーナメント決勝では、東京ガスは後半に逆転され敗戦。後半は0得点に抑えられ、非常に悔しい敗北を喫した。
レビンズは、走攻守揃う巧みな10番ニック・イブミーを中心に、最後まで諦めないタフでしぶといプレーで勝負してくるチームだ。さらに、今夏の強力選手の補強で、これまでにないアタックの迫力がチームにプラスされた印象だ。

トップイースト-A最大の強敵といえる相手にどれだけ自分たちの力が発揮できるかという点で、今期のトップイースト-A優勝の行方は勿論、チームの今後の成長にも大きく繋がる試合となるだろう。

ヤクルト戸田総合グランドで、全勝中のチームに相応しい激闘が繰り広げられた。

レビンズのキックオフで試合はスタートする。
ヤクルトは試合の入りからボールを左右に大きく運び、東京ガスを揺さぶりながら崩しにかかるが、東京ガスは統率されたディフェンスでゲインを許さない。逆に前に出てボールを奪うと、そこからは東京ガスが敵陣で試合を進めた。
7分には東京ガスの先制点が生まれた。
レビンズが、自陣深くから陣地回復のキック。これを今シーズン初メンバー入りの東京ガス14番家村竜太朗(中央導管事業部)がキャッチすると、15番ジョーダン・ジャクソン=ホープ(人事部)にパス。
15番ジョーダンがランコースを変えながらスペースを探すと、目の前が空いた。そのスペースへ逃さずに駆け込むと、綺麗にラインブレイク。敵陣22m中央までボールを運んでラックを作ると、そこでレビンズが反則を犯した。
ゴール正面のペナルティゴールを10番宗像仁(神奈川導管事業部)が決め、東京ガスが3対0と先制した。

しかし、続くレビンズのキックオフで自陣からアタックを仕掛けた東京ガスはノックオン。直後の相手ボールスクラムでも反則を取られてしまう。自陣22m正面左から、相手の10番にペナルティゴールを決められ、3対3とすぐに試合を振り出しに戻されてしまった。

次のスコアはフォワードとバックスのそれぞれが良いプレーを見せた東京ガスに生まれる。
まずはフォワードが魅せた。敵陣10m中央付近での相手ボールスクラムにプレッシャーをかけ押し込むと、相手スクラムハーフの球出しが乱れ、ボールが後ろにそれる。処理を焦った相手15番もノックオンとミスを連続し、東京ガスは敵陣22m右側、15m付近でマイボールスクラムを手に入れた。そのスクラムから、狭い右サイドに9番山岡篤樹(営業第二事業部)が仕掛ける。14番家村竜太朗(中央導管事業部)がうまく相手を引きつけることでできた相手ディフェンスのギャップを山岡が切り裂いた。内側の相手ディフェンダーをスピードで完全に置き去りにし、そのまま右インゴールに飛び込みトライ。山岡の持ち味を存分に発揮したトライとなった。フォワードのセットプレーの安定からバックスがしっかり仕留める。15人一人ひとりが役割をしっかりと全うすることで生まれたプレーだ。8対3と東京ガスは勝ち越しに成功する。

その後は、ヤクルトに自陣深くまで侵入されるも、ここから東京ガスが素晴らしいディフェンスの連続を見せた。

まずは22分、自陣インゴールを背負う位置で、8番ジェイク・シャッツ(人事部)が相手10番にサイドタックル。相手10番のノックオンを誘った。
また、25分には自陣22m付近での相手7番の強力なキックカウンターを12番長尾岳人(都市エネルギー事業部)が膝下へのナイスタックル、相手はたまらずノックオンしてしまう。この長尾の力強いプレーはチームに勇気を与えた。続くプレーでも、サイズのある相手13番に対し、14番家村竜太朗(中央導管事業部)が内側から素晴らしいタックル。サポートに来た9番山岡篤樹(営業第二事業部)のアシストタックルもあり、相手13番をタッチに出し切った。

ディフェンスで流れを掴んだ東京ガスは、28分、バックスの見事なサインプレーからトライを取り切った。
敵陣22mと10mの間付近の中央スクラムから、右サイドにボールを展開。パスを出した9番山岡篤樹(営業第二事業部)が右外に回り込むと、相手の注意が外側に。内側のスペースがポッカリと空いた。
9番山岡からのパスを受けた13番平尾充識(西部導管事業部)が内側を見ると、内側のスペースに15番ジョーダン・ジャクソン=ホープ(人事部)が走り込む。13番平尾が15番ジョーダンにパスを通すと、持ち前のランニングセンスで綺麗にラインブレイク。インゴールまで一直線にランニングし、ゴールポスト真下にトライした。
このトライの起点となったスクラムでは、3番蛯名崇博(道管部)側を押し込んで前に出すことで、相手フランカーの内側からのディフェンスを遅らせた。フォワードも、まさに縁の下の力持ちといった役回りで力を発揮した、素晴らしいトライであった。
東京ガスは一連の厳しいディフェンスからトライを決め、15対3と差を広げることに成功した。
しかし、強敵レビンズはこのまま引き下がらない。
今度はレビンズのプレッシャーで連続して東京ガスは反則を犯してしまい、自陣深くまで攻め込まれてしまう。
すると、35分、自陣ゴール前のマイボールスクラムで、東京ガスがまたも反則を犯してしまう。 この反則からレビンズはクイックスタート、左サイドにボールを運びトライ。難しい角度のゴールキックも決まり、15対10と差を縮められてしまった。

すぐに突き放したい東京ガスは、東京ガスキックオフからの相手アタックにプレッシャーをかけると、4番星谷俊輔(協力企業サポート部)が相手13番にしっかりと体をあてる素晴らしいタックル。12番の長尾岳人(都市エネルギー事業部)も力強く絡み、相手のノットリリーズザボール(倒れてからもボールを離さない反則)を誘った。
敵陣22m左からのペナルティゴールを10版宗像仁(神奈川導管事業部)が決め、38分、18対10と再度差を広げた。

このまま優位に前半を終えたい東京ガスであったが、残りの時間は、苦しい時間帯が続いてしまった。
東京ガスは自陣でペナルティを犯すと、そのほとんどがレビンズ10番ニック・イブミーの射程圏内のため、どこからでもペナルティゴールを狙われてしまう。
40分に、18対13と差を縮められると、ラストプレーでもペナルティゴール決められ、18対16とされ前半を終了した。

前半は、12番長尾岳人(都市エネルギー事業部)、13番平尾充識(西部導管事業部)の両センター中心に、相手の6番、7番、13番といったアタックのキーマンをしっかり抑えつつ、流れを掌握しかけたものの、前半の終盤からは自陣でのミス・反則がスコアに直結する苦しい展開となった。

後半は、東京ガスのキックオフでスタートするも、先制はヤクルトだった。自陣22mまで侵入されると、スクラムで反則を犯してしまう。その後、連続して反則を犯した東京ガスは、ゴール前正面から、ヤクルト10番にまたしてもペナルティゴールを決められてしまう。7分、18対19ととうとう逆転されてしまった。

嫌な流れを断ち切りたい東京ガスは、続くマイボールキックオフで、ボールを追いかけたマイケル・ザキーア(人事部)がナイスキャッチ。東京ガスは、敵陣でアタックを続けることに成功した。

すると10分、スクラムから攻め続けるとアドバンテージをもらったまま、9番山岡篤樹(営業第二事業部)が密集サイドを自ら仕掛ける。大男の間を小さい体で俊敏に抜き去り、外側に長いパス。これを14番家村竜太朗(中央導管事業部)がキャッチし、右サイドにトライ。
23対19とすぐに逆転に成功した。

その後も東京ガスは優位に試合を進めていく。17分、10番宗像仁(神奈川導管事業部)のハイパントキックを、チェイスした11番マイケル・ザキーア(人事部)がセンターライン付近でナイスキャッチ。すると、そのままスピードを上げてザキーアが50mを走りきりトライ。
28対19と、さらに差を広げていった。

このまま押し切りたい東京ガスと粘り強く戦い続けるレビンズ。
23分、相手へのハイタックルで22番西田悠人(都市ガス化営業部)がシンビン(危険なプレーによる10分間の一時退場)となり一人少ない不利な状況になるも、20番ジャスティン・ダウニー(人事部)のジャッカルやスクラムでの反則を奪い、簡単に主導権は渡さない。
しかし、35分、レビンズが東京ガスアタックにしつこく絡み、ノットリリースザボールの反則を奪う。東京ガス陣10mラインとハーフウェーラインの中間の位置であったが、この位置でもレビンズは10番がペナルティゴールを狙った。難しい距離ではあったが難なく成功、28対22とまたしても差を詰められた。

ワントライワンゴールでの逆転差圏内の中、一進一退の攻防が続く。東京ガスがレビンズゴール前右サイドまで攻め込むと、最後は左にバックス展開してトライを狙った。すると、狙ったように思いきり前に上がってきたレビンズのディフェンスにプレッシャーを浴びた東京ガスのパスが乱れた。乱れたパスを、空中で確保したのはレビンズだった。レビンズ14番が、インターセプトしてそのまま80m近くを走り切る。インゴールの真下にトライされ、ゴール成功。後半39分に、とうとう28対29と逆転されてしまった。

ここから、逆転を信じる東京ガスと、勝ち切りたいレビンズの意地と意地が真っ向からぶつかり合った。
お互いのチームへの指示が叫び声のように飛び交い、異様な空気で試合終了の笛が近づいてくる。東京ガスは最後のチャンスを伺い敵陣で30フェィズ以上を重ねてじわじわと前進するが、レビンズもしぶとく粘りのディフェンスで対抗。最後、東京ガスがノックオンをして、万事休す。東京ガス28対29ヤクルトレビンズと、今シーズン初の敗北を喫した。

レビンズのチームとしての粘り強さ、しぶとさに、惜しくも勝利をもぎ取られた形となった。

これで、今シーズンの半分を終了し、3勝1敗の2位で折り返すこととなるが、幸いにも今年は当該チームとのホーム&アウェイ制のため、リベンジするチャンスが残されている。まずは目の前の1試合、1試合をしっかり勝ちきり、12月11日(土)のヤクルトレビンズとの最終戦では、何としても勝利を掴みとり優勝を飾りたい。

広報担当:古屋龍太郎