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2021年10月11日

【観戦記】トップイ−スト–A 第三節 横河武蔵野アトラスターズ戦

いつも東京ガスラグビー部を応援していただきありがとうございます。
10月9日(土)に、東京ガス大森グラウンド(東京都大田区)で開催された、トップイ−スト–A 第3節 横河武蔵野アトラスターズ戦は、31—20(前半14対10、後半17対10)で勝利し、開幕3連勝を飾ることができました。お互いに点を取り合う厳しいゲーム展開となりましたが、最後は東京ガスが突き放し、ノーサイドとなりました。それでは観戦記をお伝えいたします。

【観戦記】
トップイースト-A 第3節の相手は、横河武蔵野アトラスターズ。10番のゲームメイクを中心に機動力のあるラグビーを展開してくるチームだ。ディフェンスはしぶとく、アタックは巧みな仕掛けから、どこからでもトライを取ってくる力がある。過去3年の公式戦成績は、1勝1敗(昨年度は公式戦中止)であり、実力が拮抗したチームである。1秒たりとも油断は許されない。
当日の大森グラウンドは、晴天に恵まれたが終始海風が強く吹いた。両チームのスローワー(ラインアウトでボールを投げ入れる選手)、キッカーのプレー精度が試合のカギとなるグラウンドコンディションであった。
試合は、アトラスターズのキックオフでスタート。前半は中盤過ぎまでスコアボードの動かない展開となった。お互いにスコアチャンスのある敵陣でのミスや反則が続いてしまう。2番峨家直也(都市ガス化営業部)のタックルから1番鈴木健也(中央導管事業部)のジャッカルで相手の反則(ノットリリースザボール)を奪うシーンや、10番宗像仁(神奈川導管事業部)の左足の絶妙なキックで一気に敵陣深くに侵入するシーンなど、流れを掴みかける良いプレーはあったが、続くプレーでトライを取り切ることが出来なかった。
苦しい展開の中、両チーム通して初の得点は、前半26分、東京ガスに生まれる。アトラスターズがオフロードパスをミスしボールがこぼれたところを、東京ガスが拾う。そのまま左に展開すると、フェーズを重ねながら確実に前進、6番鈴木達哉(営業第二事業部)が倒れながらもグラウンド中央付近でラインブレイクし、ラックを作る。9番貴島由良(東部導管事業部)が素早く右に展開すると、右側にはオーバーラップ(東京ガスのアタック人数が、アトラスターズディフェンスより多い状態)が出来ていた。最後は15番ジョーダン・ジャクソン=ホープ(人事部)が魅せる。相手ディフェンダーの繋ぎ目を思い切りのいい判断とスピードで切り裂き、追いすがるディフェンダーも振り切りトライ。ゴールも決まり、7対0と東京ガスが先制した。
このままの勢いで試合を進めたい東京ガスであったが、自陣22m中央付近で、ディフェンスで反則を犯してしまう。31分、この位置からのペナルティゴールをアトラスターズに決められ、7対3とされた。さらに35分、10番宗像仁(神奈川導管事業部)のディフェンスライン裏に転がすキックに反応したアトラスターズにボールを奪われ、カウンターアタックを受けてしまう。アトラスターズはカウンターアタックからラックを作ると、そこから素早く左に展開、パスを一つ一つ繋ぎ、11番が抜け出す。最後は内側からサポートに来ていた9番にパスを繋ぎトライ。7対10と逆転されてしまった。
連続得点を許し、嫌な展開となるが、東京ガスもすぐさま反撃に出る。38分、敵陣ラインアウトから展開、着実に前進し、ゴール前まで攻めこむ。最後は、9番貴島由良(東部導管事業部)からボールを受け取った5番トロイ・カレンダー(人事部)が、隣で待つ8番ジャスティン・ダウニー(人事部)に巧みなパス。強靭なフィジカルを活かし、相手ディフェンダー二人を巻き込むようにしてトライ。14対10とすぐに逆転に成功した。前半ラストプレーで、敵陣ハーフウェーあたりからのペナルティゴールを10番宗像仁(神奈川導管事業部)が狙うも、これは外れる。14対10、東京ガスリードで前半が終了した。

前半の試合展開を考えると、後半の序盤でどちらが流れを掴むかがこの試合の重要なポイントであったが、ここで東京ガスはアトラスターズを圧倒した。
東京ガスのキックオフからアトラスターズのボールレシーバーにプレッシャーをかけた14番新居良介(北部導管事業部)がこぼれ球を拾うと、ここから迫力あるアタックが始まった。今シーズン初スタメンの3番伊藤欣末(神奈川導管事業部)が強靭な足腰を活かしたキャリーで大きく前進する。続くラインアウトからは、12番長尾岳人(都市エネルギー事業部)が相手の死角からえぐるような角度で走り込みラインブレイク、ゴール前まで迫る。いずれのプレーも直後にノックオンをしてしまうも、この好プレーでチームは勢いづいた。アトラスターズを自陣に釘付けにしたという点でも、相手にもプレッシャーを与えることができた素晴らしい一連の攻撃であった。この後、アトラスターズの自陣脱出のキックから、互いに陣地を取り合う蹴り合いがあったが、ここで14番新居良介(北部導管事業部)が魅せる。後半5分、敵陣右側でキックカウンターに来た相手から直接ボールをもぎ取るビックプレー。東京ガスはすぐに左側の大きく空いたスペースにボールを運ぶと、裏のスペースががら空きに。すると、途中出場22番センターの平尾充識(西部導管事業部)が、左足でインゴールに計算されたキックパス。あとは抑えるだけの絶妙なキック、先にボールを抑えたのは、東京ガス11番マイケル・ザキーア(人事部)だった。このトライは東京ガスにとって大きな追加点だった。19対10。このトライをアシストした22番平尾は、体の強さを活かしたアグレッシブなランが魅力の選手だが、プレー選択の幅広さを見せつけるような素晴らしい判断と精度であった。
ここから一気に波に乗りたい東京ガスであったが、7分、アトラスターズバックスのライン攻撃から11番のスピードあるランで大きくラインブレイクされ、自陣深くまで侵入されてしまう。すると12分、自陣深くの相手ボールスクラムから、8番にスクラムサイドを突かれトライ、19対17と点差を縮められてしまう。
競った中で緊張感のある試合の流れとなる中、両チームともここから中々スコアできない。試合が残り10分になろうかというこの場面で、東京ガスのFW陣が大仕事をやってのけた。29分、途中出場の16番小俣勇也(神奈川導管事業部)、17番小川一真(都市ガス化営業部)、18番蛯名崇博(導管部)のフロントローを中心(この3名は同期である。同期の絆をパワーに変えた!)に、相手スクラムにプレッシャーをかけ、ペナルティを獲得した。敵陣深くまで侵入し、トライを狙う東京ガス。一度相手にボールを渡してしまうも、アトラスターズの浮いたパスを、途中出場の21番山岡篤樹(営業第二事業部)が、素早い反応でインターセプト。そのまま、持ち前のスピードを活かしインゴールに駆け込み、トライ。ゴールは失敗するも、24対17とまたしても差を広げることに成功した。22番山岡のトライも勿論だが、相手にプレッシャーを与えたスクラムは、苦しい状況でチーム全体に勇気を与えた素晴らしいプレーであった。
残り10分、東京ガスはダメ押しして勝利を確実なものとしたいが、アトラスターズも粘り強い。東京ガスは自陣でアタックを仕掛けるとアトラスターズのディフェンスに捕まり、反則を犯してしまう。アトラスターズはペナルティゴールを狙い、これを成功させた。24対20。後半31分、残り10分を切った段階で、1トライ差の逆転圏内のスコアとなった。<br> トライ後、東京ガスのキックオフで試合が再開する。アトラスターズのアタックを止めるべく、必死にディフェンスする東京ガスに、値千金のプレーが生まれた。
6番鈴木達哉(営業第二事業部)が相手ブレイクダウンにプレッシャーをかけると、東京ガスFWがアトラスターズのラックを乗り越える。これにアトラスターズはたまらず反則、東京ガスは反則を獲得した。35分、この反則から得たペナルティキックをタッチに出した東京ガスは、ラインアウトからのモールでトライを狙う。このラインアウトをしっかりと成功させた東京ガスはモールを形成、確実に押し込みトライした。31対20と突き放し、勝利を手繰り寄せた。
その後は、スコアさえできないものの、東京ガスFW陣が素晴らしい仕事をし続けた。マイボールスクラムと相手ボールスクラムの計2回、スクラムを押し込み、相手の反則を奪った。このプレーで東京ガスは勝利を確実なものとした。最後は、アトラスターズのラックからこぼれたボールに、21番山岡篤樹(営業第二事業部)が素早く反応しナイスセービング。10番宗像仁(神奈川導管事業部)がこれを確実に外に蹴り出しノーサイド。31対20。東京ガスの勝利となった。

試合を振り帰ると、初スタメンで2番としての責任を果たした峨家直也(都市ガス化営業部)、後半の後半、一番苦しい状況で仕事をした東京ガスFW陣、特に3度のペナルティを獲得したスクラムで中心となった16番小俣勇也(神奈川導管事業部)、17番小川一真(都市ガス化営業部)、18番蛯名崇博(導管部)ら、チームの土台を支えるFW選手たちの頑張りが光った。マンオブザマッチにも、18番蛯名崇博(導管部)が選ばれた。後半途中からスクラムの支柱として体を張り続け、最後のトライのモールでも起点となり、重要な局面でいぶし銀のプレーを続けた。
チーム全体の課題としては、ルールやレフリングへの対応など意識の改善で防げる反則が多かったので、早めに修正したいところだ。

開幕3連勝の東京ガスラグビー部は、次節、優勝争いの本命であろうヤクルトレビンズとまずはアウェーでの1戦。春はトップイーストトーナメント決勝で逆転負けを喫しており、厳しい試合展開が予想される。今日の試合のように最後まで粘り強く戦い、勝利を勝ち取ってほしい。

広報担当:古屋龍太郎