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2021年9月21日

【観戦記】トップイ−スト–A 第二節 セコムラガッツ戦

いつも東京ガスラグビー部を応援していただきありがとうございます。
9月18日(土)セコムラグビーフィールド(埼玉県狭山市)にて開催されました、トップイ−スト–A 第二節 セコムラガッツ戦は、19—12(前半6対7、後半13対5)で勝利しました。
アウェイでの戦いでしたが、堅実な攻守を貫き、価値ある1勝を収めることができました。それでは観戦記をお伝えいたします。

【観戦記】
今年のトップイースト‐Aの開催方式は、ホーム&アウェイでの総当たり方式である。実は、ラグビー界において「ホーム&アウェイ」での開催方式は珍しい。各カテゴリーにおいても、高校ラグビーはトーナメント戦での開催、大学ラグビーと社会人ラグビーは、リーグ戦ではあるものの、当該チームとの試合は年1回であり、ホーム&アウェイという概念はない(筆者もラグビー歴は長い方だが、初めての経験である。年に2回試合するとなると、当該チームへの戦術やスカウティングなど例年とは異なる準備が必要なのではと、勝手に想像を膨らませている)。
 今回の対戦相手セコムラガッツは、今春の試合では23-20で勝利を収めたものの、毎年、激戦を繰り広げる手強い相手である。一瞬たりとも気が抜けない、第2節にして大一番の戦いだ。そして、「アウェイ」での決戦だ。
 「まさか」はすぐに起きた。東京ガスのキックオフをキャッチしたセコムラガッツが、自陣からボールを展開し、そのままトライ、前半1分にして0-7と先制された。これがアウェイでの試合ということなのか。意識せずとも想定外の展開になってしまう、まずは落ち着くことが必要だ。
 この試合、冷静な判断が光ったのは、司令塔10番宗像仁(神奈川導管事業部)だ。東京ガスは果敢に攻めていくものの、なかなか効果的なアタックにつながらない。前半9分、敵陣22メートル付近でペナルティを獲得した東京ガスは、PGを選択した。角度もあり、決して簡単な位置ではなかったが、トライをとることに焦らず、3点を狙う判断だ。これを、10番宗像が難なく決め、スコアを3-7とし、ゲームを落ち着かせる。15分にも敵陣10メートル付近から、再び10番宗像がPGを決め、6-7と追い上げる。「敵陣に突入したら、スコアして帰ってくる」これは、精神的にもチームは楽であり、リードされている中でも焦りを感じなくなる。その後は均衡した試合展開で、両チーム、敵陣深くに入り込むも、なかなかスコアボードが動かない時間が続く。前半30分、東京ガスはラインアウトモールから怒涛の連続攻撃、8番ジャスティン・ダウニー(人事部)の力強いランニングや、両センター12番長尾岳人(都市エネルギー事業部)、13番黒澤健(エネルギー提案推進部)の角度のついた突進を繰り返すも、あと一歩ゴールラインが届かず、トライを奪うことができない。そして、このまま前半が終了するかと思われたロスタイム、7番キャプテン粕谷俊輔(経理部)が危険なプレーを犯し、シンビン(10分間の退場)を受けてしまう。嫌な雰囲気のまま、6-7で前半が終了する。
 後半に入り、一人少ない中で先制したのは東京ガスであった。後半6分、敵陣22メートル付近から、10番宗像がPGを選択。これも難なく決め、9-7と逆転する。東京ガスはノートライでありながらも、堅実にPGを積み重ね、遂に逆転。試合を巧みに進めていく。後半10分には、一次退場中であった7番キャプテン粕谷がグラウンドに戻り、一人少ない時間帯をノースコアで乗り切った。後半21分には、敵陣10メートル付近から10番宗像がまたしてもPGを成功させ、6点差にリードを広げる。繰り返しになるが、この時点で東京ガスはまだトライをとっていない。まるで、ワールドカップなどの国際大会を見ているような緊張感のある試合展開であり、10番宗像のキック精度の高さが光る。このPGがボディーブローのように効いたのか、後半28分東京ガスに初トライが生まれる。相手のキックを自陣10メートル付近で獲得した、15番ジョーダン・ジャクソン=ホープ(人事部)が、一気に相手DFを振り切り、大きくゲイン、22番平尾充織(西部導管事業部)につなぎ、最後は11番マイケル・ザキーア(人事部)がトライ、ゴールも決まり、19-7とリードを広げる。このトライ、相手キックをキャッチした15番ジョーダン・ジャクソン=ホープのキャッチングスキルの高さがすべてであった。相手キックはそのまま転がってラインを切るかと思われたが、転がっているボールを片手に拾い、そのまま加速したことにより、一瞬止まった相手DFのスキをつき、振り切ることができた。試合終盤、流れを一気に引き寄せるビッグプレーであった。その後、セコムラガッツに1トライ返されはしたものの、相手の反撃もここまで、19-12で開幕2連勝を飾った。
 アウェイという環境の中で、本日のマンオブザマッチに選ばれた10番宗像の判断を中心に、試合を巧みに進めていった東京ガス。敵陣に攻め込んだ時のプレーの精度はまだ課題があるが、エリアの使い方、時間の使い方に巧みさを感じた。また、一瞬一瞬の選手の表情や良いプレーがあったときの声かけなど、チームのまとまりも感じることができた。ペナルティを獲得した際の4番星谷俊輔(協力企業サポート部)のシャウトは印象的であった。ルーキーらしい、元気の良いプレーヤーだ。今日はセコムラガッツに勝利したが今シーズンもう一度戦うことになる。ただ、「アウェイでの勝利」は、例年の勝利よりもまた違った価値がある。きっと、リベンジに燃えるセコムラガッツだが、次戦はホームで迎え、東京ガスサポーターの応援とともに迎え撃ちたい(ラグビー観戦者の一意見としてホーム&アウェイ方式もなかなか面白いと感じた。仕方ないとはわかっていても、無観客開催なのが非常にもどかしい…)。
 次戦は、10月9日(土)13時より、ホーム東京ガスグラウンドに横河武蔵野アトラスターズを迎え撃つ。今日の反省を踏まえ、開幕3連勝に向けて良い準備をしていきたい。

広報担当:工藤元気