NEWS

2021年6月28日

【観戦記】ジャパンラグビートップイ−ストリーグ2021春季交流戦トーナメント決勝ヤクルトレビンズ戦

6月27日(日)東京ガス大森グラウンドにて開催されました、トーナメント決勝ヤクルトレビンズ戦は、17対25(前半17対6、後半0対19)で敗戦しました。トップイーストリーグ2021春季交流戦トーナメントは「準優勝」という結果となりました。前回に引き続き無観客開催ではありましたが、本大会応援いただいた皆様、暖かいご声援・ご支援本当にありがとうございました。試合の観戦記をお送りします。


【観戦記】
セコムラガッツとの準決勝を、激闘の末に大逆転で勝利した東京ガスラグビー部。トーナメント決勝の相手はヤクルトレビンズ。ここ数年、共にトップイーストの覇権争いを繰り広げる好敵手である。2018年シーズンはヤクルトが5点差で勝利し、2019年シーズンは東京ガスが3点差で勝利した。
ヤクルトレビンズのフォワード陣はタフで激しく、80分間、スタミナが切れることなく、ハードワークしてくる。一方でバックス陣は、小気味良いパスワークで空いたスペースにボールを運びながら、スマートにアタックを仕掛けてくる。熱く冷静に、最後までエネルギッシュに戦い抜いてくるチームだ。
雨との天気予報も、なんとか持ちこたえた大森の空。気温も暑くなく、ラグビー日和となった大森グラウンドでは、前後半で対照的なゲームが展開された。

前半、東京ガスはFW全員の頑張りで、スクラムやラインアウトといったセットプレーでヤクルトを上回った。特に2番小川の正確なスローイング、スクラムのリードなど前半途中に怪我で退くまで、堅実な仕事ぶりが光っていた。セットプレーで上回る東京ガスは、敵陣でアタックする機会を数多く創出し、東京ガスのペースで前半は進んだ。ファーストトライは東京ガス。ラインアウトからのサインプレーで2番小川がトライ。5対3と逆転する。その後ヤクルトがPGを成功し5対6とされたものの、東京ガスがここから2トライを重ねる。
連続攻撃から、新人の4番星谷が相手の死角をついたアングルのランでラインブレイク。直後のラックで山岡が近場を突きトライ、10対6と再逆転した。この日が公式戦デビューの4番星谷は同じような角度に何度も走り込み、ゲインラインを突破し、チームを勢いづけた。
前半終了間際には、出足の早いラインディフェンスから最後は14番新居が相手のパスをインターセプト、50メートルを走りきり中央にトライした。今春には、セブンズ日本代表オリンピックスコッド合宿にも参加した14番新居。このインターセプトのほか、初速と強靭なランニングを再三見せ、ゲインメーターを稼いだ。
安定した試合運びで危なげなく点差を広げた東京ガスは、前半を17対6とリードし折り返した。

前半の勢いそのままに試合を運びたい東京ガスであったが、後半はヤクルトレビンズが修正力を見せる。ヤクルトは前半出来の悪かったラインアウトをきっちりと修正、後半は10本近いラインアウトを全て成功させ、自分たちのリズムを掴む。
後半9分、ヤクルトはラインアタックからウイングがスピードある走りで中央を抜け出しそのまま走り切ってトライ。17対13と差を縮める。
後半19分にもヤクルトは連続攻撃から東京ガスにプレッシャーをかけ、東京ガスはペナルティを連発してしまう。ヤクルトはアドバンテージを得たまま、インゴールにキックパス、これをトライされ、17対20と逆転を許してしまう。

悪い流れを断ち切りたい東京ガスは、スクラムで意地を見せ中盤でペナルティを獲得した。敵陣深くに入り込み、スコアのチャンス。しかし、そのマイボールラインアウトを失敗してしまう痛恨のプレー。
陣地を返された東京ガスは、その後またしてもペナルティを犯し、一転してピンチに。後半30分、自陣深くでラインアウトモールを形成され、3連続でトライを許し、スコアは17対25。8点差となってしまった。
取り切りたいところで東京ガスは取り切れず、逆にトライチャンスでしっかり取り切るヤクルト。後半を象徴したようなワンシーンであった。

残り10分、東京ガスは意地のアタックを続けるも、ヤクルトの粘り強いディフェンスを前にあと一歩が嚙み合わず、なかなかスコアすることができない苦しい展開に。ラストプレーも東京ガスがアタックを続けるも、ノットリリースザボールのペナルティをとられ万事休す。
後半はスコアすることが出来ず、東京ガス17対25ヤクルトレビンズで敗戦した。厳しい展開では、数少ないスコアチャンスをものにできなければ敗れてしまうことを、身に染みて感じたゲームであった。

穂坂ヘッドコーチが、「ラックにするのか、繋ぐのか、蹴るのか、判断ミスでアタックが継続できなかった。」と課題をあげ、粕谷主将も「アタックの理解度、遂行力を高めていくことが必要」と話すように、課題が明確になった一戦であった。
現時点での自分たちの立ち位置がわかったこの試合。秋に向けて課題を克服し、チームとしてさらに結束した先に、トップイーストの頂きが見えてくるはずだ。

広報担当:古屋龍太郎

【東京ガスメンバー】
1.小俣勇也 2.小川一真 3.蛯名崇博 4.星谷俊輔 5.トロイ・カレンダー 6.上原充 7.粕谷俊輔 8.ジャスティン・ダウニー 9.山岡篤樹 10.宗像仁 11.平尾充識 12.矢澤蒼13.黒澤健 14.新居良介 15.ジョーダン・ジャクソン=ホープ 16.鈴木健也 17.橋本一真 18.春名宏一 19.髙橋湧 20.鈴木達哉 21.藤林健太 22.大矢雄太 23.家村竜太朗