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2021年6月21日

【観戦記】ジャパンラグビートップイ−ストリーグ2021春季交流戦トーナメント準決勝セコムラガッツ戦

6月20日(日)東京ガス大森グラウンドにて開催されました、トーナメント準決勝セコムラガッツ戦は、23—20(前半3対20、後半20対0)で勝利しました。約1年半ぶりの公式戦となり、まずは開催に際し、様々な方のご尽力があって本日を迎えることができたことに感謝するとともに、勝利で終えることができたことを大変うれしく思います。試合の観戦記をお送りします。


【観戦記】
2019年12月8日、優勝を決めたトップイーストリーグ最終節以来の公式戦。関東ラグビーフットボール協会をはじめ、様々な方々のご尽力・ご理解の上で試合が開催できること、心より感謝申し上げます。
相手は、2019年のトップイースト最終節でも対戦した、強敵セコムラガッツ。激しいブレイクダウンと強力なセットプレーを軸に、全員がハードワークするタフなチームである。
東京ガスラグビー部の目標である、“トップイーストリーグ連覇”を達成するためには避けては通れない相手であり、対戦前から緊張感が走る。

セコムのキックオフからスタートしたこの試合。キックオフ直後、セコムの激しいタックルが、ボールをレシーブした8番ジャスティン・ダウニーを襲う。ノックオン。直後のスクラムでも相手の厳しいプレッシャーにペナルティを犯してしまう。先制点こそ東京ガスであったが、前半は先制のPGによる3点のみ。ファーストプレーの勢いそのまま、セコムの激しいブレイクダウンと強力なスクラムに、東京ガスはミスやペナルティを連続。マイボールの時間が少なく、アタックの機会もミスで相手にボールを渡してしまう苦しい戦況が続いた。
敵陣22mに侵入してからのセコムは、フラットにアタックを展開してくる。東京ガスはセコムの前に出るアタックに我慢しきれず、シンビン(=反則による10分間の退場)を犯し、一人を欠く時間帯もあり、結果として2トライを許し、セコムペースで前半は終了(3-20)した。

しかし、後半は東京ガスがじわりじわりと意地を見せる展開に。前半の課題であったスクラムを修正し、エリア獲得のキックもハイパントを織り交ぜながら、簡単には相手にボールを渡さないよう工夫を見せる。アタックもミスすることなく、しっかりとフェーズを重ねることで、マイボールキープの時間が増え、徐々に東京ガスがゲームを支配していく。
後半11分には、連続攻撃から最後は10番宗像のキックパスを受けた12番大矢がトライ。ゴールも成功し、7点差。そこから20分はお互いの自力は拮抗し、手に汗握る展開に。この時間帯、スクラムハーフながら体を張ったハイパントキャッチとセービングで相手に流れを渡さなかった21番貴島の好プレーが印象に残った。
後半30分、東京ガスがFWのモールでトライ。難しい角度のゴールをまたしても10番宗像が決め、ついに同点に追いつく。20対20。

お互いの意地がぶつかり合い、そこからスコアボードが動かない。後半40分、敵陣10m付近でセコムボールスクラムに。試合を通じて大苦戦していた、セコムボールスクラム。その半数以上はペナルティを取られていた。
しかし、試合を通して最もピンチなこの状況から、歓喜の瞬間は生まれた。東京ガスFWが、セコムボールのスクラムをめくり上げ、ペナルテイを獲得。最後の最後でFWがスクラムで魅せた。
40m以上の距離があったものの、「スクラムでペナルテイを取れれば、PGを狙うと粕谷主将と話していた。」(10番宗像仁)と、東京ガスラグビー部が誇る右足は迷わずPGを選択。いつものルーティンで、淡々と準備し、蹴ったボールはゴールポストに吸い込まれた。どんなにプレッシャーがかかる場面でPGを蹴ろうが宗像にはきっと影響ないのだろう。そう思わせるようなリズムで蹴りあげた。結果、宗像は、この試合、最後のPGを含む5本のキックを全て成功させた。

東京ガス23対20セコムラガッツ。東京ガスが大逆転で勝利を収めた。

ハーフタイム時、「まずは、マイボールキープ」(穂坂ヘッドコーチ)の指示を遂行し、徐々にゲームを支配した東京ガス。粕谷主将は、「前半ブレイクダウンでプレッシャーを受けていたので、2、3人目のよりを早くすることをチームで話した。前半押されていたスクラムも後半は徐々に修正できた。」と言う。「試合の課題を試合中に解決できたことは良かったところ。」と宗像が言うように、試合でしか学ぶことのできない経験をしながらも、勝ち切れたことは今後のチームの成長が楽しみになった。

強固なスクラムと強く正確なブレイクダウン。アタックでもディフェンスでも全員が共通理解のもとハードワークし続けるのが東京ガスラグビー部伝統の強みである。
決勝のヤクルト戦(6月27日13時KO、東京ガス大森グランド)、東京ガスらしいプレーで、素晴らしいゲームを期待したい。

広報担当:古屋龍太郎

【東京ガスメンバー】
1.小俣勇也 2.小川一真 3.春名宏一 4.小野悠太 5.トロイ・カレンダー 6.鈴木達哉 7.粕谷俊輔 8.ジャスティン・ダウニー 9.小泉泰介 10.宗像仁 11.佐藤宏哉 12.大矢雄太 13.矢澤蒼 14.新居良介 15.ジョーダン・ジャクソン=ホープ 16.鈴木健也 17.橋本一真 18.蛯名崇博 19.髙橋湧 20.ジェイク・シャッツ 21.貴島由良 22.平尾充識 23.家村竜太朗